熊のカリフォルニアMBA留学記

理系の熊がカリフォルニアで七転八倒したMBA留学の記録(ブログ)です

*

国内MOT、国内MBA、米国MBAに米国工学系MOT、必須授業を徹底比較

      2016/01/05

理系の方が経営を学ぼうと思ったときに、MOTという言葉にぶつかると思います。しばしば理系版MBAと呼ばれ、イノベーションの活性化などを目的としています。しかしながら、まだできて歴史が浅く、その実態がいまいち掴みにくいところがあります。

前回までの記事では、MBAやMOTと目的や学位の比較を行ってきました。

しかしながら、実際に気になるのは、何を学べるかですよね。

そこで今回の記事では授業の比較をしてみたいと思います。

長くなるので前後編に分け、今回は全編として必須(コア)の授業の比較を行います。

MOTとMBA、必須授業で学ぶことはどのくらい違う?

今回の比較に当たって、代表的な学校をピックアップし、その学校の授業を比較することでそのカテゴリー(MOTやMBA)の授業とすることとしました。

学校の種類はあまりにもたくさんあり、その特徴も様々です。ですので、あくまで一例として参考にしてください。熊の感覚では、必須の授業は学校による違いはそれほどないので、十分参考になると思います。

また、日本語と英語の授業名を記していますが、当然内容と授業名が必ず一致するはずもなく、また名前が一致しても必ずしも内容が一緒とは限らないので、同じ系統の授業という認識をしていただければと思います。

比較するのは国内/米国、MOT/MBAの4カテゴリー

学校の種類のカテゴリーは以下の4つにしました。

  • 米国工学系MOT
  • 国内MOT
  • 米国経営系MOT
  • 国内MBA

以前の記事でもお伝えしましたが、現在MOTの多くはMBAの一部として吸収される傾向にあります。しかしながら、米国でも工学系の学校にはTechnology Management、Management of Science and TechnologyなどのようにMOT系のプログラムを提供している学校があります。これらの学校を米国工学系MOTと呼ぶことにします。

今回はNew York Universityの工学部にあたるTandon School of EngineeringのManagement of Technologyのカリキュラムを参考にしました。

続いては、国内MOTです。国内のMOTも様々な学校がプログラムを提供しているので一概にこうだ、と言い切ることは難しいのですが、ウェブページが充実している東京理科大学のMOTプログラムのカリキュラムを参考にしました。

そして、米国経営系MOTです。MOTと書いていますが、上記の通りMOTは経営学に吸収されつつあるので、これは米国MBAのことになります。参考は熊の通っていた学校です。

最後が国内MBAです。こちらは慶応大学ビジネススクールのカリキュラムを参考にさせてもらいました。

必須授業を三種類に分類

集計するにあたって、まず必須授業と選択授業に分けました。今回は必須の授業に注目します。

4校のカリキュラムで一つでも必須授業となっている授業を拾うと、さらに3種類に分けることができます。

4校すべてに共通する必須授業、MBAのみに共通する必須授業、MOTのみに共通する必須授業です。

これが日本/米国、MOT/MBAの必須授業の違いだ!

こちらに4つのカテゴリーの学校、必須授業の比較を示します。
黄色のマスは必須授業、緑色のマスは選択授業、白のマスは授業選択不可です。
MOT-core

すべての学校に共通する必須授業

経営戦略、組織マネジメント、マーケティングはどのカテゴリーの学校でも必須になっていました。

経営戦略はおそらくポーターの5フォースあたりの競争戦略を学ぶのではないかと思います。熊の学校では5フォースから始まって、競争優位とはなにかといったことを学びました。

組織マネジメントは、日本でいう組織論です。どのような組織形態があって、それぞれの短所や長所をまとめます。熊の学校では、機能でわける組織と、地域で分ける組織の長所や短所など、組織とは何かからトレードオフの関係までを議論をしました。

マーケティングは、価値の創造、あるいはマネージャーと市場をつなぐことだと熊は学びました。顧客分析の3Cからマーケティング戦略の基本の4Pといったことをケースやプレゼンを通しながら学びました。

これら3つの授業は、どの学校へ行っても概ね学ぶ、本当に基礎の基礎ということになります。熊が聞いた話ではマーケティングを必須としているMBAはそれほど多くないということでしたが、どのカテゴリーでも重視されているようです。

MBAの必須授業

MBAではこれらに加えてファイナンス系の教科、オペレーション系の教科、経済学、リーダーシップあたりが入ってきます。

ファイナンス系の教科としては、アカウンティング(会計)、ファイナンス(財務)あたりを学びます。アカウンティングでは、本当に基礎の借方貸方から、財務諸表を使った企業の評価を行います。ファイナンスでは、これから何度も出てくることになるディスカウントキャッシュフローを中心として、プロジェクトの財務評価などを学びます。

オペレーション系の授業としては、その名のとおりオペレーションがあります。学校によりかなり異なると思うのですが、熊の学校では工場のスループットや機械能力の最適化、在庫管理から最適な販売店配置など、オペレーションで数学モデルを用いることの基礎を学びました。

経済学では、基礎的な需要曲線、供給曲線から、価格弾力性、寡占や独占といった場合に価格がどのように変動するかを学びました。直接的には役には立たないのですが、価格弾力性、需要と供給の概念などは、ほかの教科でも頻繁に出てくるので、長い目で見ると非常に役立つと思います。

そして、リーダーシップ関連の授業です。リーダーシップでは、自分はどのような特性があるのか、リーダーとは何か、どのようなリーダーシップがあるのかをケーススタディと議論を通して学びます。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

このように見ると、やはりMBAの必須は経営学の各分野をまんべんなく抑えるようにできていることがわかります。

米国工学系MOTでは、このMBA必須の授業の半分程度は必須として学ぶのですが、国内MOTではこれらは選択での取得となります。これを見ても国内MOTが米国工学系MOT、あるいは米国経営系MOT(MBA)に比べると、ずいぶんと工学系の教科に力を入れていることが分かります。

MOTの必須授業

MOTの必須授業を見てみましょう。とても興味深い単語が並んでいます。

ウェブによると、コンセプト創造の授業は、事例を通してコンセプト創造の本質を学び、自らイノベーションを起こすための基本的な枠組みを学ぶそうです。残念ながら、熊が学んだ学校では、一部近い授業はありますが、それに対応するような授業はありませんでした。

開発・プロトタイプ論、新事業開発論などは熊の学校でも選択として近い授業を取ることができました。もともと理系でこういったことも学びたいと思ってMBAに行っていたので、非常に学ぶことの多い授業でした。

プロトタイプ論では、どのようなプロトタイプをつくるか、それをどのようにテストし、本質を素早く見抜くかといったことを学びました。新事業開発はそこからの発展として、事業を起こす際に必要なチェックポイントと、適切な準備を学びました。

国内MOTと米国工学系MOTを見ても、重なる部分が少ないように、このイノベーション関係の授業は、かなり学校により個性が出る範囲なのかもしれません。

MOTの国内/米国の違いに注目する

必須教科を見る限りでは、経営系の教科が多いほうから順に、以下のように並べることができると思います。

米国経営系MOT(MBA)=国内MBA > 米国工学系MOT > 国内MOT

MBAについては国内と米国でそれほど大きな差はないのですが、MOTはかなり違うことが分かります。これが国内のMOTは、独自路線を走っているといわれる所以の一つなのだと思います。

必須で経営系の割合を減らし、その分イノベーション関係の強化に特化しているということが授業から見てわかります。

まとめると

米国工学系MOT、国内MOT、米国経営系MOT(MBA)、国内MBAの必須授業について比較を行いました。

  • 全カテゴリーで共通する教科は、マーケティング、ストラテジー、組織マネジメント
  • 国内MBA、米国MBAで必須授業に大きな違いはない
  • MOTは国内で、経営系の必須授業が少ない(ただし選択で一部はとれる)

 - MBA受験, MOT, 受験校探し , , , , , , ,