熊のカリフォルニアMBA留学記

理系の熊がカリフォルニアで七転八倒したMBA留学の記録(ブログ)です

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理系にとってのMBAーメリット・デメリットー

      2016/01/05

MBAとはMaster of Business Administration、すなわち経営学の修士学位になります。経営学は一般的には文系に入ることが多いと思いますので、どちらかというと文系の学位という印象を持たれている方がいるかもしれません。

しかしながら、実際にこの学問は極めて学際的で理系なのか文系なのかと言われると判断が難しいところです。熊の周りのMBA受験者を見てみると文系出身も理系出身もそれなりにいます。

もし文系ならば現在いる職種の延長線上にMBAで学ぶ内容があることが多いと思います。例えば、財務出身ならば将来はそのまま会社の財務戦略の策定などを行うことになると思います。

しかしながら、理系からMBAに行くとちょっと話が違います。熊はエンジニアですが、エンジニアが将来つくであろう職種にはMBAで学ぶ内容が直接関係するかと言われれば、疑問が残ります。

しかしながら、熊個人はMBAととるという選択肢は間違っていなかったと確信しています。そこで、理系がMBAを取ることの意味を考えてみたいと思います。

キャリアが分断されること

エンジニアに代表される理系の方がMBA留学に躊躇する最大の理由は、キャリアの分断、もしくはキャリアの変更が行われるということだと思います。

エンジニアの一般的なルートは、最初は見習いのエンジニアとして入り、その後経験を積みながら徐々にマネジメント層に入っていくというものです。マネジメント層と言っても、実際には現場のマネジメントが多く、ある与えられた責任範囲に対して、技術的なマネジメントをすることが多く、そこにMBAが想定しているようなトップ層が必要とする知識は必要ない場合が多いです。

例えば、エンジニアからある部門の課長や係長になり部下を持ちます。このとき、初めて部下を持ち人のマネジメントが始まります。しかしながら、求められる判断は現場の技術的な判断や調整であることが多く、全社戦略に関わることは少ないと思います。

MBAは全社戦略のような大きな目で見ることを前提にしている科目が多いので、エンジニアには直接的役立つことは少ないと思います。

すなわち、理系がMBAに行くということは、このエンジニア→係長→課長→部長という梯子を降りるということになります。そして、次に異なる部門に行くことになる場合が多いと思います。例えば企画系や管理系の部門です。

これがキャリアの分断ということです。これがあるために、理系の方はMBAに行くのをためらってしまうのだと熊は思います。

MBAで理系が得られるもの

エンジニアがMBAに行くと、キャリアの大変更を意味する場合が多いです。では、そこまでして行ったMBAで、どんなものを得ることができるでしょうか?

ビジネスの共通言語を得られる=コミュニケーションがスムーズに!

なんといっても一番わかりやすい成果物は、ビジネスの共通言語を使いこなせるようになるということです。

たかが共通言語と思うかもしれませんが、その力はとてもパワフルです。

ビジネスだとイメージが湧きにくいので、ビジネスの共通言語がウズベキスタンだと想像してみるとわかると思います。

ビジネスの共通言語がウズベキスタン語だと、当たり前ですがすべての情報がウズベキスタン語です。会議中にどうやって資金調達をするかを話し合っている場合でも、ウズベキスタン語です。財務諸表を使って、会社の分析をするときもウズベキスタン語です。当然、ほかの人と議論をするときもウズベキスタン語です。

ウズベキスタン語を知らない限り、わからないですよね?グラフや、辞書を使って部分、部分の意味は分かるかもしれませんが、体系的に理解はできないはずです。

ここでもし、ウズベキスタン語=ビジネスの共通言語がわかるようになると、どうなるでしょうか。ほかの部門の人が話している内容が分かるようになるのです。

財務の人は、基本的にここにポイントを持っていて、ある指標をよくするために考えている。

企画の人は、活性化について考えている。その時のポイントはこれとこれ。技術部門は技術的に問題なく進むことを考えていて、要点となる技術はこれとこれ。コスト管理部門は、コストパフォーマンスとコスト管理を考えている。

人による部分もあると思いますが、エンジニアの人は技術的なことに集中してしまうことが多いため、なかなかほかの部門の人の考えが分からないことがあります。その多くは、ほかの部門がどのような機能を果たし、それがどのように有機的に繋がっているかがなかなか見えないからだと思います。

MBAに行くと、全社的な戦略、機能を学びます。どの部門がどのように会社を支えていて、そのときの拠り所としている考え方はこれだということを学びます。

これを学ぶことの大きな利点がコミュニケーションがしやすくなるということです。

相手の部門の拠り所となる考えを学ぶので、相手の反応を予想することができます。とんでもないことをいう確率は各段に減ります。より相手と自分の両方を考えた、全体最適に近い発想をする土壌を得ることができます。

これらのスキルは部門間の調整をするような管理職には必須だと思います。これはMBAに行くことの大きな利点です。

意外とすぐに役立つ科目も多い

エンジニアにとって、役立つものは少ないと思う人もいるのですが、そんなことはありません。エンジニアの熊は自分の会社に戻ってもすぐに使えるノウハウの多くを学ぶことができたと思います。

例えば、コスト管理があると思います。ある程度コスト管理を各部門でやる会社ならば、自分で必要な材料や労働力を会社の外から買ってきているはずです。その割合は売り上げの半分以上になる場合がほとんどです。

この場合、どのようにコスト管理するかは非常に大きな課題です。仮に1%下げることができれば利益率が1%弱改善するわけです。通常粗利とよばれるものは、10%~20%程度であることが多いので、コスト管理で1%下げることができれば、利益が5%弱改善することになります。

これは非常に大きなインパクトです。

他に、ソフトスキル関係があると思います。交渉術などはいい例だと思います。最初に交渉相手とのパイを大きくして、その後二人で分けるという戦略が基本戦略となります。ロールプレイをやってみるとわかりますが、最初のパイを大きくするという部分を実現することが非常に難しいです。どうしても利益を考えて、パイの取り合いに走ってしまいがちです。

このため、交渉術を学ぶことで他部門との交渉で交渉相手とお互いに有益な関係を結ぶことができれば、非常に強力な助けとなると思います。

これらの学びは十分会社に戻ってすぐに役立つと思います。

ビジネスチャンスをつかむ

エンジニアの方はその技術の第一線で働いている方が多いと思います。そんな方の中には、この技術を使ったら、新しいビジネスができるのではないか?と思う方もいると思います。

しかしながら、多くのエンジニアは実行しません。その理由の一つがどうすればいいかわからないからというのがあると思います。

MBAではこの、どうしたらいいかわからないから、にフレームワークなどを用いてガイドラインを与えくれます。ふわっとしたアイディアレベルだったものが、フレームワークを使うことで、説得力のある、具体的な提案に変わっていきます。

熊も実際に見たことがありますが、ある技術的なアイディアがどんどん具体的な形を帯びて、様々な人を巻き込んで大きくなる姿はとても刺激的で、こんなに楽しいことがあるのか!と感動しました。

このように、ビジネスチャンスをつかむ道具をMBAで学ぶことができます。

会社に戻ってからはどうなる?

理系の人が会社に戻ると、どうなるのでしょうか?

答えは、会社によるとしか言いようがありません。

熊も多くのエンジニア出身のMBA取得者とお会いしましたが、本当に人によります。完全に技術を離れて企画を進める側になった人もいれば、そのままエンジニアとして戻り、エンジニアとしての技術を磨きつつ、管理職になった人もいます。

他の例としては、エンジニアですが転職をして、外資系のエンジニア部門の管理職になった人、あるいは全く異なる部門、業界に変わった人もいます。

このように、理系であってもMBAの後の進路は様々です。

ですが、やはり技術が好きで理系に来たという方が多いので、できれば技術に絡んだ仕事をしたいとと思っている人は多いみたいです。

まとめると

理系の人がMBAを取る場合に気になるポイントについてまとめました。

  • キャリアの分断が起こる可能性があること
  • MBAで学べることは以下の点で有用であること
          ・他の部門の考え、基本方針などがわかる
          ・他の部門とコミュニケーションが容易になる
          ・交渉術、コスト管理など直接役立つものもある
  • 会社によってMBA後の進路は様々ある

進路選択の参考になれば幸いです。

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