熊のカリフォルニアMBA留学記

理系の熊がカリフォルニアで七転八倒したMBA留学の記録(ブログ)です

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学問としてのマネジメント

      2016/01/05

MBAで学ぶマネジメント(Business Management)とは学問です。学問ということは、一定の理論に基づいて“体系化された”知識と方法の集合だということです。

一見すると曖昧なイメージで語られるマネジメントですが、その体系をお伝えしたいと思います。

具体的にはどんな分野に分かれる?

それでは、具体的にどのような分野に分かれるかを見てみましょう。

経営学(マネジメント)は様々な分野が相互に関わっているため、これが正しいという分類の仕方はないと思うのですが、あくまで熊の考える分類で説明します。

Strategy and Economics

MBAというと一番に思いつくのが、戦略の授業ではないでしょうか?

市場・競合などを分析し、組織をビジネス環境に適応させるための実行可能な目標と戦略に落とし込む作業です。

何より戦略という言葉が非常にカッコイイですよね。

さて戦略論というと、おそらく最も有名なのがマイケル・ポーターだと思います。彼は現在もハーバード経営大学院の教授です。とうことは、実はわずか数十年前に生まれたのが経営戦略論の代名詞ともなっており、非常に若い分野だということです。

経営学の権威のジェイ・B・バーニーによれば、経営戦略論は様々な要素が多様にかかわっているために、他の分野、財務や会計、組織行動学、マーケティングなどがある程度成熟するまで発展しにくかったそうです。

具体的な授業としては、Competitive Strategy、Managerial Economics, Decision Making, Organizational Strategyなどが挙げられます。

会社でいうと経営企画室もしくは、事業部や本部のの企画部門にあたると思います。

Finance and Accounting

企業の健康状態を見るために必須の財務三表の作成管理や、必要な資金の調達、資金運用について学ぶ学問です。ベンチャーの資金調達、への資金提供についても研究されています。

会計の複式簿記の起源が12世紀頃と言われているそうなので、歴史は非常に長い分野です。ですが、近年は特に発展が進み、1970年代以降にノーベル経済学賞を多く受賞しています。

特に有名なのが、ポーロフォリオ理論のマルコビッツや、オプションのブラックショールズらだと思います。

具体的な授業としては、Managerial Accounting, Finance, Investment, Venture Financeなどが挙げられます。

会社でいうと財務部や経理部などにあたると思います。

Operation

オペレーションと聞くと、一番に思い浮かべるのがとにかく地味ではないかということです。

ですがデータを取ってみると分かりますが、CEOの前職で最も多いのは、CFOでもCTOでもありません。COOです。オペレーションの最高責任者が経営の最高責任者になるケースが多いのです。

アップルのティム・クックなどは典型的な例だと思います。オペレーションは目立たないかもしれませんが、会社の利益の源泉だからだと熊は考えます。マーケティングもファイナンスも大切です。ですが、実際に“実行”しているのはオペレーション部門です。

オペレーション分野は20世紀中ごろまでは工場の中での生産プロセスのみを対象としていましたが、その後サービスや在庫管理、施設最適化などに範囲を広げました。DELLやWalmartはオペレーションの先駆者の典型例だと思います。

具体的な授業としては、Statistics、Operation、Supply Chain Management、Cost Managementなどがあります。

会社でいうと実際に製品やサービス提供を行っている事業部にあたると思います。

Marketing

マーケティングというと、多くの方には具体的なイメージがしにくいかもしれません。

日本にもマーケティングを名乗る組織はありますが、市場調査などを受け身で行っている場合が多いように熊は個人的に思います。ですが、マーケティングは本来、市場とマネージャーを繋ぐ分野です。つまり、市場を分析して理解し、同時にどのように市場にアプローチを仕掛けるかを対象としています。

有名な3Cは市場を分析する際に用いますし、4Pは市場にどうアプローチするかを考える際に用います。分析とアプローチをつなげるためにブランドを形成します。

このように、マーケティングはビジネスの根幹である市場を対象としています。

具体的な授業としては、Marketing、Marketing Research、Marketing Strategy、Marketing Communicationsなどがあります。

会社でいうとマーケティング部門か企画推進室、あるいは市場調査部門にあたると思います。

Management and Soft skill

MBAで求められているのは、将来のリーダーを育成することです。決して知識だけを持つ専門家を育てることではありません。

マネジメントは人の集合体である会社を対象としています。人と生産的な関係を作り出すためのソフトスキルは必須のスキルです。

具体的な授業にはLeadership、Negotiation、Organizational Behaviorなどがあります。

Managementには3つの分野の研究者

Managementという学問は、他の学問に比べると最近できた学問で、主に3つの領域の研究者が集まっています。

経済学社会学認知心理学です。

もちろん、他の分野から経営学に入ってくる研究者もいます。ですが、大ざっぱに理解すると、その3分野です。

まずは経済学関係の研究者です。彼らは定量的であること、論理的な整合性を重視しています。競争戦略で有名なマイケル・ポーターも経済学で博士号を取得しています。FinanceやAccountingも経済学方面をベースにした研究者が多いように思います。

続いて社会学です。社会学は人間の集合体を対象とした研究を行っています。例えば組織論や、いわゆるコネといった人的ネットワークなどを対象としています。

そして、認知心理学です。経済学では、ホモ・エコノミクスといって人間は経済的に合理的な行動をするという前提があるのですが、人はそれほど合理的に判断・行動していないと考える研究者たちです。もちろん、これ以外にも多くの分野からManagementに入ってきている研究者が数多くいます。 熊が行っていた学校にもPh.D in Scienceを持っている教授などがいました。

こうしてみると、経営学と一言に行っても、その範囲は相当幅広いということが分かります。これらの各分野が相互に関わりあって、経営学を形作っているのです。

言い換えるならば、それだけ経営学という学問の幅が広いということなのかもしれません。

まとめ

マネジメント(経営学)は学際的な学問です。その分野の紹介と、研究分野の分類をまとめました。

  • 主な分野は、ストラテジー、ファイナンスオペレーション、マーケティング、ソフトスキル
  • マネジメントは他に比べて若い学問
  • 形作っている主な分野は経済学、社会学、認知心理学の3分野
  • 他の分野からの研究者もいる

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