熊のカリフォルニアMBA留学記

理系の熊がカリフォルニアで七転八倒したMBA留学の記録(ブログ)です

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【授業】Statistics/Quantitative 最強の学問?統計学

      2016/01/05

必修で学ぶ基礎授業。分析と予測には必須の知識。
難しいように見えるけど、これが分かれば、マネジメントがぐっと身近になる!?

ビジネスは意思決定の連続です。その意思決定をする際には、必ずデータにて検証が行われます。

このStatistics、もしくはQuantitativeの授業は、ビジネスの意思決定を行う際に必要な統計の知識を学びます。以後、選択の授業などで様々な統計処理を行いますが、この時に用いるサンプル数の確認などは、この授業で学ぶ統計のの知識を前提に行います。

初めは見慣れない考え方で戸惑う生徒もいますが、統計という武器を持つことは将来の意思決定に対する大きなアドバンテージとなるはずです。

【Why】統計学はビジネスの基礎

Q1.アイスクリーム屋
あなたはアイスクリーム屋さんの店長です。気温が25℃だった月曜日には25ケ、26℃の火曜日には30ケ、30℃の水曜日には45ケ・・・でした。

明日の予想気温は28℃です、何ケのアイスクリームが売れると予想できるでしょうか?また、95%の確率では最低何個から最高何個売れると予測できるでしょうか?更に、得られた販売個数と確率から、利益を最大化するためには何個仕入れをすればよいでしょう?

Q2.ゴルフ場でのラウンド料金
あなたはゴルフ場のマーケティングマネージャーです。ゴルフ場のオンライン予約は、ラウンドの何日前に予約するかで値段を変えています。

ここに、オンライン予約の予約数と料金の一覧があるので、これを使って利益が最大となるような値段設定を示しなさい。

Q3.DVDのリリース時期
近年は、映画のリリースの後、数か月でDVDがリリースされることが増えてきました。これは、映画を見終わって熱が冷めないうちに、もう一度見たい、手元に置いておきたいという需要があるためです。

では、以下の映画のリリース時期、売上、DVDのリリースと売上のデータを用いて、売上が最大になるDVDのリリース時期を求めなさい。

Statisticsの最初の方では、こんな感じの問題が出てきます。

本当に単純化している問題ですが、ビジネスの世界ではStatisticsを用いる機会は非常に多くあります。というのは、統計学は少ないサンプルから全体の傾向を分析して、将来の予測を手助けしてくれるからです。

ビジネスにおいて、意思決定をする際には必ずデータを見ます。このデータをどのように分析し、どのように予測するのか、そしてそのデータがどの程度確からしいのか。Statisticsではこれらを理解し、適切に判断するための方法を学びます。こう考えてみると、Statisticsはビジネスの基礎中の基礎となります。

【What】ビジネスとの繋がりが面白い!

教える学校や教授によって様々な違いがあると思うのですが、ディシジョンツリー、検定、回帰分析が主な内容となります。

どの決定が一番お得か?-ディシジョンツリー-

意思決定をする際には、様々な選択肢の中から一つを選びだすことになります。この際に手助けになるツールがディシジョンツリーです。ディシジョンツリーはその名の通り、樹木のような形をしています。この木の形を用いて期待値を計算することで、どの選択肢が最も期待値が大きくなるかを計算します。

ディシジョンツリーでは選択肢がある場面で枝が分岐をし、その先で選択肢がある場合は更に枝分かれをします。これを繰り返して、すべての考えられる選択パターンを書き出します。下の図がディシジョンツリーの一例です。

20150924_tree

例えば、アイスクリームを売りに行くことを考えてみましょう。明日は雨か晴れかで選択肢があります。それぞれには確率があります。

それに続いて雨の時には図書館に売りに行くか、アリーナに売りに行くかの選択肢があります。これらにもそれぞれ確率と売り上げの予測値があります。そして、晴れの日には海に行くか、球場に行くかの選択肢があります。こちらにも同じく確率と売り上げの予想値があります。

このように関係する選択肢とその確率、期待値を計算し、期待値が最大となる選択肢を選び出します。

どれほど確からしいのか?-検定-

様々なデータの分析をする場合、基本となるのは二つの値の関係性(相関)を見ることです。一見すると関係がありそうな値であっても、データを取ってみると意外と関係がないことがあります。その逆の場合もあります。

そこで、二つの値の相関を見る時には、まずその関係性がどの程度確からしいのかということを確認する必要があります。その時に用いるのが検定となります。

将来はこうなる!?-予測の技術、回帰分析-

検定が終わったら、いよいよ将来の予測をします。将来の予測をする手法は様々あると思いますが、その中でシンプルかつ分かりやすいのは回帰分析となります。回帰分析というのは、2つの値の内の1つでもう1つの値の説明をどのくらいできるのか、を定量的に分析することになります。

先ほどのアイスクリームの例でいうと、気温で何個のアイスクリームがどの程度の確率で売れるかを分析することになります。ただし、いくつか間違いやすいポイントがあります。例えば、仮定となる分布の種類や、因果関係と相関関係の違い、式の適用可能な範囲などです。こういった注意点を授業では丁寧に学びました。

更に発展させると、1つの変数で説明するのではなく、2つ、3つの変数で説明する重回帰分析や、複雑な条件下で最適値を導き出す最適化について学びます。更に高度になると共分散構造解析などがでてきます。

【How】統計用言語Rと面白さ倍増のケース

熊が学んだ学校では、レクチャー形式の授業を中心として、宿題のケーススタディはグループワークで行われました。基本的には、教授がパワーポイントを用いてレクチャーを行いながら、その都度学生に質問を投げかけ、議論をしながら理解を深めるスタイルです。

さて、統計処理を行う際に必要となるのが、統計処理ソフトです。おそらく皆さんがパッと思いつくのはExcelでしょう。Excelは非常に便利です。何より直感的でわかりやすく、専門の処理ソフトを用いたことがない人にはとても入りやすい入口となります。正直、Excelでできるならば、新しいソフトウェアを学びたくはない!というのが学生の本音だと思いますが、しかしながらExcelにも課題がいくつかあります。

  • 扱うことができるデータの数が限られている
  • 計算の跡が分かりにくい=どのように最後の値を求めたかがわかりにくい
  • グラフの設定を変えることが出来すぎる。=本質的な思考に力を割きにくい

以上の理由から、熊の学校では、専門の統計用の言語Rを用いていました。専門の統計ソフトでは、R、STATISTICA、SAS、SPSSなどなど、数え上げると多くの言語やソフトウェアがありますが、熊はRで統計を学びました。

統計用言語Rとは

Rを使う理由は以下の通りです。

  • 多くの社会科学の分野でRが最も良く用いられている=より多くの人が用いる共通言語となりつつある
  • オープンソースの言語で、日々更新、改善されつつある。
  • 無料=卒業後も用いやすい

加えてExcelに比べて、以下の長所があります。

  • 巨大なデータ(GBクラス)でも扱うことができうる(ExcelはMBクラス)
  • 簡単なプログラム式(コード)を書くので、どのような計算をしたか後からすぐわかる。
  • シンプルかつ強力なグラフ化の機能がついている。

言語やコードなんていうと、パニックを起こしてしまう人がいるかもしれませんが、実際にはせいぜい20行のコードでかなり複雑な計算ができますので、安心してください。

ビジネスの実感が湧く!?ケース

ビジネススクールの醍醐味の一つがケースです。
統計でも当然、多くのケースの問題がでてきます。熊にとっては、どれも刺激的で、かつ今学んでいることがビジネスにどう繋がっているのか実感できて面白かったです。

ケース例1 イノベーターのジレンマ
ディシジョンツリーでは、イノベーターのジレンマについてやりました。自分がある技術を開発した時に、どこから資金調達と受けるかです。

  • 1.成功する確率が下がるけど、このまま自分たちの資金でやりきる
  • 2.成功する確率が大きく変動するけど、マーケティングコンサルに調査を依頼する
  • 3.成功する確率は上がるけれども、利益の一定割合を渡す必要があるベンチャーキャピタルに頼る
  • などの選択肢が出され、それぞれの確率、期待値を計算し、期待値が最大となる選択肢を導き出します。ベンチャーなどに興味がある人には、非常に考えさせられるケースです。

    ケース例2 ホットハンド
    回帰分析では、アメリカの4大スポーツの一つ、バスケットボールについてです。

    バスケットボール選手の年収を、年齢、得点数、シュート成功率、ブロック数などをもちいて説明しようとするものです。

    数年前に、マネーボールという映画が有名になり、野球と統計学的視点からみるセイバーメトリクスという考え方が注目されました。これはそのバスケット版をやってみようというものです。もちろん用いたデータは本物です。ビジネススクールの学生が興味のあるはずの年収をテーマとしていて、熊も思わず夢中になってしまいました。

    【まとめ】データを用いた意思決定に自信を

    様々なバックグラウンドの学生が集まっているビジネススクールだけあって、グループの中に大抵は数学関係が得意な人がいます。そしてアジア系からの留学生は、大抵の数学が比較的得意なことが多いです。自分は数学が得意でない場合は、得意な人から学ぶには良い機会だと思います。

    ディシジョンツリーなどは、非常に論理的でわかりやすいアプローチです。ただし、それぞれの選択肢や数字には多くの仮定が入っていることが多いですし、世の中予測しないことが起こることが多々あります。加えて、分析した時とビジネス環境が変わってしまうこともあるでしょう。ですが、それでも意思決定をする際には、大きな判断を誤らないための強力なツールとなると思います。

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